蒼い涙 ひらってくれよ

くるりを好きになったのは、まだ私が十代の頃。
その頃は今よりずっと、音楽に興味があって、音楽浸けの毎日だったな。
そんな頃、くるりに出会ったんだ。
ひょんな事から手に入れた、『くるりの一回転』というカセットテープ。
それから、くるりを好きになったり、好きじゃなくなったり、、、
あの頃に比べ、私も、くるりも随分、年を重ねた。
くるりは、大きくなった。
FUJIでGREENステージに立ってんだもん。
そりゃ、大きくなったよね。
久々のワンマン。Zeep Tokyoにくるりを観に行ってきたよ。
「すごい、良かった。」「かっこいいーっっ。」
なんて言いながら、泣いている子達もいたけど、
私にはそんな感情、持ち合わせていなかった。
さよならストレンジャー』を聴くと、
今でも、やっぱり泣きそうになる気持ちは抑えられないけれど。
ステージ上の華やかさ。
堀江博久の赤色ジャケット、岸田繁の黄色シャツ。
何かが足りないなぁ。そうだ、青色が足りないんだ。
じゃあ、私には、そちらに渡る事が出来ないよ。
立ち止まって待つしかない。
いやいや、違う。
そうかっ、蒼色が足りないんだ。
私には蒼い涙さえ、流す事ができなかった。
私が変わってしまったんだろう。
色々、聞きすぎて耳が悪くなってしまった。
岸田繁に私は聞きたい。
君の電波は何ガロン?
何を受けて、何を放ち、何処へ向かって、走り続けているのか?
岸田繁は天才だと思う。
ただ、くるりは大人になった。
私と違って大人になった。
蒼い涙 ひらってくれよ