下北に着くや否や、遠くを歩く、あの人が目に飛び込んできた。 世界と己とを切り離しているような、冷たい後ろ姿だった。 あの人には、色がない。 騒々しくって、鮮やかなこの世界において、 彼を見つける事はとても、たやすい。 透明少女は、あの人を知らな…
16歳、女子高生。 透明少女と夜の街を歩く。 「まぁ、いいんだけど」 何度となく、この言葉を自分の胸に言い聞かせる。 透明少女は、やはり定刻通りに現れない。 几帳面な兄とは、まるで性格が違うのだ。 始まった。 「まぁ、いいんだけど」 末っ子の彼女は甘え…
達人の薬が効かない理由を辿る
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