尖った綺麗な瞳が、ちょっと濁った瞬間

「ごめんね。ちょっと、遅れる。」という、
電話の向こうから、聞こえる彼の声。
酷く疲れた声をしていたのが、気になって仕方なかった。
本屋で、時間を潰そうかと思ったけど、
椅子に、腰掛けたい気分だったので、
少し歩いて、パンプキンパイがとっても美味しい喫茶店に、行く事にした。
あいにく、パンプキンパイは売り切れ。
残念。。。
食べたかったのに。
妥協はいや。
パンプキンパイ以外のデザートは、食べたくなかったので、
カモミールティーをひとつだけ、頼む。
暫し、
彼の到着を待つ。
考え事をしながら、ぼんやり、ゆっくりと口へ。
置いてあった、空の写真集を眺めながら、
一人、ゆったりとした時間を過ごしていた。
澄み渡る、青冷めるように綺麗な、空の下に行きたいなって思ってた。
行動に移せないのは、何でだろう。
ちょっと、私は、変わったのかもしれない。
いろんな事に、臆病になっているのかもしれない。
揺れ動く気持ちも、今は、静かに、脈を打つ。
多分、大人になるって、我慢する事が多くなっていくのかもね。
彼から、「着いたよ。」ってメールがきて、
ゆったりした時間とも、ここで、お別れ。
ライブハウスへと、足を走らせた。
「ほんとっっ、遅れちゃって、ごめんね。何してた?」
「大丈夫だよ。喫茶店で、お茶してたから。」
「喫茶店?飲み屋じゃなくて?」
「う、うん、、、」
何で?そこ、聞き返すとこなの?
この間、他の友達にも、同じ様な事を、言われたけど、
私が、喫茶店で一人お茶してるのは、イメージにないのでしょうか?
一人で飲み屋に行くのと、喫茶店に行くのでは、
茶店に行く回数の方が、少し多い気がするのにな。
まぁ、いいや。
イメージなんてもんは、覆してこそです。
お目当てのバンドの、中性的な声と、
包み込まれるように、優しい音色に、
私は、心地良くなって、眠たくなってしまった。
いやいや、寝た。
中村一義のライブ以来、立ちながら、バッチリ寝てしまったよ。
今考えると、カモミールティーを飲んだのが、いけなかったと思う。
後々、そこのバンドのVoに、
「寝てたでしょ。」
と、意地悪っぽく言われ、耳をずっと抓られてた。
私は、カツオの気分でした。
友人に、助けを求めたのだけど、
友人も、意地悪っぽく笑っているだけだった。